問いかけノート|暮らしを楽しむ対話日記

アラカンわたしの新しい暮らし方。ゆるっと進行中。

親が杖を使い始めた日。80歳の母と歩く“みんなが通る道”


80歳の母、杖デビュー。みんなが通る道を、笑っていこう

腰の痛みの話も書きたいけれど、今日はちょっと別のことを。
シニア80歳の母のことです。

私の両親はこれまで、私たち姉妹に頼ることなく、ずっと二人で生活をしてきました。
でも去年あたりから、少しずつ環境が変わってきています。

まず大きな変化は「車を降りたこと」。
テレビで高齢者の事故ニュースが流れるたびに、父は「う〜〜〜ん」と頭を抱えていました。
私はずっと前から「もう車はやめたほうがいいんじゃない?」と話していたけれど、なかなか受け入れない。
よくある話ですよね。

正直、どうしてそんなに自分を見つめ直せないの?と、イライラしたこともありました。
でも、ある日タイミングよく車が故障して、自然に「廃車にしましょう」という流れに。
思わず「お〜〜〜神様ありがとう!」って思いました(笑)

それ以来、車がない生活がスタート。
父は時々グチグチ言っているようですが、独り言です。聞こえません(笑)
ただ、今度はこちらがいろんな場面で送迎しなきゃいけない。
でも、それもいいかな。
今まで自立して頑張ってきてくれたんだから、これからは私たちが支える番です。

杖デビューのきっかけ

そんな中、母からある日ぽつりと。
「杖を持ち歩いて、疲れたら出して使いたいの」

あ〜、ついに来たか…!と思いました。
母なりに、いろんな気持ちの整理をしての一言だったんでしょうね。

自宅にあった杖を準備して、いざデビュー!
と思ったら、あれ?なんだか長さが足りない。

母は156cmなので、杖の長さはだいたい80cmちょっと必要なんですが、
どう調整してもそれ以上伸びない。

あーでもない、こーでもない、と二人でいじくり回すけれど、分からない。
「これはサイズが合ってないんだね」と結論を出し、介護用品店へ。

「サイズの大きい杖がほしいんです」と伝えたところ、
お店の方がひとこと。
「いやいや、ここをスライドして上にあげると伸びるんですよ」

え~~~!
さんざん研究して分からなかったのに、そんな単純なことだったとは。

母は「助かったわ〜!8,000円もするのに買い直さずに済んだ!」とニコニコ。
私はというと…ちょっとショック(笑)
自分のほうが頭の回転が鈍ってるんじゃないかと。

娘としての複雑な気持ち

最近、職場の70歳の方が言っていました。
「娘にいろいろ言われてね…車も取り上げられそうなの。
自分が何もできなくなっていく気がして、自信がなくなるのよ。
もう少し優しく言ってくれればいいのに、って思うの」

まさに、私のことだなと思いました。
つい“安全のため”と強く言ってしまうけれど、
相手にとっては「できないことが増える」現実なんですよね。

みんなが通る道だからこそ

こうして少しずつ変化していく両親を見ていると、
“みんなが通る道”なんだなと感じます。

これから先、いろんな出来事に直面すると思うけれど、
「長生きって楽しいね!」と笑って言える日々にしていきたい。

そう思った一日でした。